常設の蓄電池ではなく、ポータブル電源でオフグリッドは可能なのか?
まず、オフグリッドとはエネルギーを公共インフラに依存しない仕組みとなります。
電気を自給自足で、発電から供給までの循環システムを構築します。
そういった仕組みを持ち運びができるポータブル電源で達成できれば、どこでも電気のある生活が送れるようになります。
キャンピングカーなら、車なので道がある場所に限られてしまいます。
それも楽しいのですが、もっと広く「どんなとこでも」やってみたいのです。
キャンプ、山小屋、秘密基地、、、
本来、長期滞在するような場所ではない所で、快適な電気ライフができるのか?
そういったことを解説していきます。
電気使用の目安を理解する!
まず「どれくらいの電気が必要なのか」をしらべなければいけません。
環境省のデータにより、1世帯が1年間に消費する平均電気使用量がありました。
使用量は、1世帯あたり4,047kWhになっています。

出典 :環境省 家庭でのエネルギー消費量について
これを単純に365日で割ってみます。
すると、1世帯の1日平均使用電力量は、11kWhとなります。
当然、電気の需要が高い冬場などはもっと高い電気使用量になるとは思います。
ですが、とりあえずは電気容量が11kWhの電池が必要だと設定しておきます。
この11kWhの電気をポータブル電源とソーラーパネルでカバーできるのか?
次は、ポータブル電源の容量とソーラーパネルの発電能力について検証します。
容量と充電の目安を理解する!
まず早速の悲報です。
11kWhのポータブル電源なんてありえません。
拡張をすれば11kWhを備えることはできますが、それはもう蓄電池です。
まずは現状のポータブル電源の容量帯と重さについて見ていきます。
比較の観点から「容量 ÷ 重さ」で1kgあたりの充電容量も見ていきます。
最大クラスは5kWh
ポータブル電源単体で、持ち運びを考えた場合、5kWhクラスが最大だと思います。
それは、本体重量が持ち運べる域を超えてくるからです。
まず、この5kWhクラスはあまり数がありません。
EENOURの大容量ポータブル電源のP5000(5.12kWh)で、重さは51kgです。
また、家庭用として販売されているBULUTTIのポータブル電源ならEP500が76kg、EB500Pは83kgとなります。
どれも相当な重量です。
山小屋に持ち運ぶというのは厳しいのかもしれません。
では、それに対する充電容量はどうでしょうか?
1kgあたりの充電容量
EENOUR P5000(5.12kWh) 100Wh/kg
BULUTTI EP500(5.12kWh) 67Wh/kg
BULUTTI EB500P(5.12kWh) 61Wh/kg
EENOUR P5000がずば抜けて高性能であることがわかります。
おそらく BULUTTIでは容量以外の機能面での装置で重くなっていくるのかもしれません。
家庭用として販売されていますので、家庭内を持ち運べる蓄電池なのだと感じます。
商品価格などはこちらをどうぞ!
| EP500 | ||
| 金額 | 498,000円 | |
| 容量 | 5120Wh | |
| 定格出力 | 2000W | |
| サイクル回数 | 3000回 | |
| 重さ | 76kg | |
| EP500Pro | ||
| 金額 | 990,000円 | |
| 容量 | 5120Wh | |
| 定格出力 | 3000W | |
| サイクル回数 | 3500回 | |
| 重さ | 83kg | |
ソーラーパネルで満充電が可能なのか?
オフグリッドですので、使った分の電気を充電するソーラーパネルが必要です。
まずは、ポータブル電源のDC入力(ソーラー入力)の対応をみます。
EENOUR P5000(5.12kWh)は、PV入力が12−120Vで1000Wまでの入力が可能。

BULUTTIのポータブル電源 EP500は1200Wまでの入力が可能

なのでどちらも、日中の6時間程度をフルで充電できれば、自給自足ができます。
ですが、そんなに都合よく晴天ばかりではないでしょう。
なので、使える電気はその容量の6割程度が現実的な数値なのではないかと思います。
3kWhクラスならどうなる?
条件をもう少し広げて、3kWhクラスの容量ではどうでしょう?
EcoFlowのDELTA ProとJackeryの3000 Proを見てみます。
まずは重さですが、当然5kWhよりは軽いです。
1kgあたりの充電容量
EcoFlow DELTA Pro(3.6kWh) 80Wh/kg
Jackery 3000 Pro(3kWh) 108.3Wh/kg
| DELTA Pro | ||
| 金額 | 440,000円 | |
| 容量 | 3600Wh | |
| 定格出力 | 3000W | |
| サイクル回数 | 3500回 | |
| 重さ | 45kg | |
| PV入力 | 11~150V 最大15A 最大1600W | |
| Jackery ポータブル電源 3000 Pro | ||
| 金額 | 419,000円 | |
| 容量 | 3024Wh | |
| 定格出力 | 3000W | |
| サイクル回数 | 2000回 | |
| 重さ | 27.9kg | |
| PV入力 | 17.5-60V 12A 2ポート 電流制限24A,合計1400W |
|
さらにこちらは、ソーラーパネルからの入力上限が高くなっています。
フル充電をしたいと考えれば3時間あれば十分になります。
なので、5kWh製品とは違い容量程度の9割程度は電気を使えそうです。
ポータブル電源でオフグリッドできる?
これまでの重さと、充電条件よる結果がこちらです。
5kWhクラスは充電性能が低いので6割程度 :3kWh
3kWhクラスは充電性能が高いので9割程度 :2.7kWh
1日の電気の使用量がこれを下回れば、オフグリッドができそうです。
ではどれくらいの電気が必要なのでしょうか?
電気使用量の目安を理解する!
電気の使用量の目安を見ていきます。
比較的必要だとされる電気製品は、「冷蔵庫」と「照明」です。
あと、夏場の必需品の「エアコン」も見ていきます。
冷蔵庫の電力量を解説
生活の中で常に電気を使用している、かつ、重要な存在は冷蔵庫ではないかと思います。
そんな冷蔵庫の消費電力量を計算していきます。
冷蔵庫は容量に比例して消費電力量が上がっていくとはなっていません。
逆に大きい方が消費電力量は少なくなります。
冷蔵庫の定格消費電力は150~300W程度となっています。
ですが、これはあくまでもフル稼働時の電力ですので、実際にはそうはなりません。
冷蔵庫では消費電力量の目安は取説などに年間消費電力量として記載されています。
一般的に250kWh程度となっています。
なので、それを365日で割った電力が1日あたりの電力量となります。
250kWh ÷ 365日 = 0.68kWh = 680wh
1日あたり、約680Wh/日
冷蔵庫は、1日あたり680Whが必要となります。
照明の電力量を解説
オフグリッドの内容にもよるのですが、一般的な照明で解説していきます。
照明と言えばシーリングライトです。
これが、蛍光灯ライプであれば68W程度、LEDタイプであれば42W程度が一般的です。
部屋の大きさなどのより変化しますが、1日8時間点灯でのLEDタイプで計算します。
LED:42W * 8h * 1台= 336Wh/日
照明は、1日あたり336Whが必要となります。
エアコンの電力量を解説
空調の重要度は大変大きいですが、そのぶん電気の使用量も大きくなります。
6畳用のエアコンの消費電力は1台あたり100W〜900Wとなっています。
幅が広いので間の500Wで考えたとして、1時間あたりの電気使用量は500kWhです。
これだと、3kWhなら6時間で充電切れになってしまいます。
エアコンを使うなら容量を拡張することが必要です。
1日5時間使用する場合で計算します。
500W * 5h = 2500Wh/日
エアコンは、1日あたり2500Whが必要となります。
オフグリッドの目安を理解する!
まず、「持ち運び」がポータブルの特徴です。
なので、拡張性は制限して考えています。
拡張も視野に入れると、3kWhクラスでのPV入力は相当心強いです。
ただ、それだけのソーラーパネルを準備するのは結構な金額になりそうです。
電気使用は、冷蔵庫と照明程度なら1日1kWh程度になっています。
なので、ソーラーパネルで充電できない日でもカバーできそうです。
さすがにエアコンは拡張しないと充電切れとなりそうです。
オフグリッドをもっと身近なものにするには、ポータブル電源の進化に期待です。
軽くて、容量が大きく、大充電に耐えれる、そんなポータブル電源を望みます。
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