高い電気代を少しでも節約したいと考えて、ポータブル電源とソーラーパネルを購入する人が増えてきています。
ですが、ポータブル電源だけではなくソーラーパネルも購入となればそれなりの金額が必要です。
電気料金を減らせるからと言っても、購入金額が高すぎると結果的に出費が増えてしまうこともあるのではないでしょうか。
ここでは、そんなポタ電とソーラーパネルの購入額をコスト比較していきます。
削減電気料金 VS 購入コスト
はたして削減した電気代で、購入金額分を回収することはできるのでしょうか?
ポタ電とソーラーパネルでの電気代削減能力とは?
ここでの電気代削減とは、現状使用している電気量は減らさずに、電気代を削減することです。
要は、使用量によって料金の発生する電力会社からの電気を使わないで、日常的に使用している電気機器を使用する、結果、電気代が削減できるとしています。
削減できる電気量はどれくらい?
ソーラーパネルで発電した電気をポータブル電源に貯めて、電気機器を使います。
なので削減できる電気量は、ポータブル電源の充電能力 × 寿命となります。
ポータブル電源の寿命は、サイクル回数というメーカー公表の数値を使用します。
※サイクル回数については、こちらのページで解説しています。
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【徹底解説】ポタ電の劣化を早めない正しい使い方とは?
サイクル回数と言われるポータブル電源の寿命の目安を解説しています。ただ、使い方でも影響するので、適切な管理方法も解説します
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このサイクル回数とポータブル電源の容量で、その製品の総充電容量を計算します。
これがポータブル電源での使用可能な電気使用量で、削減可能な電気量でもあります。
この削減電気量に、電力会社などの電気料金単価を掛けることで削減電気代となる「削減電気料金」を計算します。
回収金額
ポータブル電源容量 × サイクル回数 = 総充電容量
総充電容量 × 電気料金単価 = 削減電気料金(回収金額)
電気料金単価の設定をどうするか?
まずは削減の基準となる電気料金単価を定義する必要があります。
ここでは家電取引での電料金単価の目安として使用されている単価を使用します。
現在この単価は、1kWhあたり31円(税込)となっています。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が、「新電力料金目安単価」として示しているのは1kWhあたり31円(税込)となっています。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会
(よくある質問 Q:カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?)の回答を参考にしています。

実際には、電力会社ごとに細かな料金単価であったり、基本料金などがありますが、ここではこの家電取引での電料金単価の目安を使用しています。
なので、1kWhあたり31円に、ポータブル電源の総充電容量をかけ算した数値を、削減した電気代としています。
結果、電力会社から電気を買わずに済んだ「節電料金」ということです。
ポタ電とソーラーパネルの購入コストは?
これと比較するのは、ポータブル電源とソーラーパネルの購入金額となります。
購入金額
ポータブル電源 + ソーラーパネル = 購入コスト
注意が必要なのは、充電容量が大きくでもソーラーパネルの発電電力が小さいと、ポータブル電源を十分に活用できないことです。
容量を満充電するのに数日だと、その間が機会損失となってしまうからです。
なので、ソーラーパネルはポータブル電源に接続可能な最大容量を条件として考えます。
場合によっては、パネルは2枚接続がいいのか?
それとも1枚の大容量がいいのか?
などに迷う場面もあると思います。
なので、価格面と現実的な充電サイクルを想定して比較していきます。
大容量のポータブル電源で比較
大容量のポータプル電源なのであれば、当然削減電気量も大きくなります。
ですが、大容量は量に比例して購入金額も高くなっていきます。
また、それを充電しようとする場合のソーラーパネルも当然に高くなる傾向です。
比較1 EENOUR(イーノウ)
大容量で比較的安価に購入できる製品に、EENOURのポータブル電源があります。
ソーラーパネルとのセット販売品があり、半額セールが頻繁に行われているので購入コストを抑えることができます。
ここでは、型式P2001(容量2kwh)とP5000(容量5kwh)で比較しいきます。
ともにサイクル回数は3500回と公表されています。
P2001(容量2kWh)+パネル400W
ポータブル電源への充電サイクル
ソーラーパネルで充電する場合の条件を確認します。
PV入力:500W(12−48V)が仕様となっています。
※PV入力 = ソーラーパネルの出力に対応している範囲
なので、ソーラーパネルの出力は500Wが上限で、電圧は48Vが上限です。
EENOUR製のソーラーパネルで対応可能なのは、200Wのパネル2枚か、400Wのパネル1枚のどちらかの接続となります。
200W(上限電圧:23V) 2枚
400W(上限電圧:48.5V) 1枚
理論上、400Wあれば、80%くらいの発電電力でも6時間あれば満充電近くまで充電可能です。
ですが、毎日晴天となるわけでもないので、毎日の使用電力としては容量の70%くらいの1400Wh、それを400Wで晴天の日に充電していくといったサイクルが現実的だと感じます。
ポータブル電源とソーラーパネルの購入コスト
ソーラーパネル 200Wを2枚
P2001 + ソーラー200W が2枚 = 318,800円
ソーラーパネル 400Wを1枚
P2001 + ソーラー400W が1枚 = 329,980円
節電料金と購入コストの比較
P2001での削減電気量(節電料金)と購入コストを比較します。
容量2000Wh サイクル回数3500回
電源容量(2kWh) × サイクル回数(3500回) = 総発電容量(7000kWh)
総発電容量(7000kWh) × 電気単価(31円) = 節電料金(217,000円)
通常販売価格での価格比較です。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 購入コスト | 差額 | |
| ポータブル電源P2001 | 2000Wh | 2000W | 3500回 | 217,000円 | 318,800円 | −101,800円 |
| 329,980円 | −112,980円 |
半額セールなどでないと、回収はむずかしそうです。
半額セール時の価格比較はこちらです。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 購入コスト | 差額 | |
| ポータブル電源P2001 | 2000Wh | 2000W | 3500回 | 217,000円 | 189,900円 |
27,100円 |
199,900円 |
17,100円 |
セール価格でなら回収できそうです。
ですが、実際にはソーラーパネルでの充電にはムラがあるので、日常的に使用するのは容量の7割程度が現実的ではないかと考えています。
なので、毎日使える電気は1400W程度になるので、その場合、比較の結果は5,000日目での数値です。
約14年経過時点といった計算となります。
P5000(容量5kWh)+パネル800W
ポータブル電源への充電サイクル
P5000のPV入力は1000W(12−120V)が上限です。
※PV入力 = ソーラーパネルの出力に対応している範囲
パネルは400Wが最大容量なので、400Wパネル2枚の接続が可能となります。
※1000W上限でも、400W+400W+200Wは接続できません。
接続できない理由は、このページで解説しています。
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ソーラーパネルの直列接続と並列接続では何が違うのか?
ソーラーパネルの増設の方法には直列接続と並列接続があります。接続内容で電流と電圧がどう変化するのかを理解して、充電時間を短縮させます
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ポータブル電源とソーラーパネルの購入コスト
P5000 + ソーラー400Wが2枚 = 799,900円
節電料金と購入コストの比較
容量5120Wh サイクル回数3500回
電源容量(5.12kWh) × サイクル回数(3500回) = 総発電容量(17,920kWh)
総発電容量(17,920kWh) × 電気単価(31円) = 節電料金(555,520円)
通常販売価格での価格比較です。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 購入コスト | 差額 | |
| ポータブル電源P5000 | 5120Wh | 2200W | 3500回 | 555,520円 | 799,900円 | −244,380円 |
半額セールなどでないと、回収はむずかしそうです。
半額セール時の価格比較はこちらです。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 購入コスト | 差額 | |
| ポータブル電源P5000 | 5120Wh | 2200W | 3500回 | 555,520円 | 449,900円 |
105,620円 |
セール価格でなら回収できそうです。
ここでも、ソーラーパネルでの充電ムラを想定して、日常的に使用するのは容量の7割程度が現実的ではないかと考えています。
なので、毎日使える電気は3,500W程度になるので、その場合、比較の結果は5,120日目での数値です。
約14年経過時点といった計算となります。
比較2 EcoFlow(エコフロー)
エコフローのDELTA Proでも計算してみます。
DELTA Pro(3.6kWh)+パネル(800W・1,200W)
ポータブル電源への充電サイクル
DELTA ProのPV入力は1600W(12-150V)が上限です。
400Wパネルを2枚の接続と、3枚の接続で見ていきます。
4枚で1600W接続できない?
1600Wが上限なので4枚の1600Wが接続可能なのではないかと考えてしまいます。
ですが、エコフローの400Wパネルは電圧が48Vになっています。
なので4枚だと電圧が192Vになってしまい上限電圧の150Vを超えてしまうのです。
ポータブル電源とソーラーパネルの購入コスト
ソーラーパネル2枚の場合
DELTA Pro + ソーラー400W が2枚 = 672,210円
ソーラーパネル3枚の場合
セット販売でのパネルは2枚しかないので、別途400Wのパネルを追加しています。
節電料金と購入コストの比較
容量3600Wh サイクル回数3500回
電源容量(3.6kWh) × サイクル回数(3500回) = 総発電容量(12,600kWh)
総発電容量(12,600kWh) × 電気単価(31円) = 節電金額(390,600円)
通常価格での価格比較です。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 総発電コスト | 差額 | |
| DELTA Pro + 2枚 | 3600Wh | 3000W | 3500回 | 390,600円 | 672,210円 | −281,610円 |
| DELTA Pro + 3枚 | 3600Wh | 3000W | 3500回 | 390,600円 | 798,710円 | −408,110円 |
これはセール価格でも、回収はむずかしそうです。
30%セールがあったとしての価格比較です。
| 容量 | 定格出力 | サイクル回数 | 節電金額 | 総発電コスト | 差額 | |
| DELTA Pro + 2枚 | 3600Wh | 3000W | 3500回 | 390,600円 | 470,500円 |
−79,900円 |
| DELTA Pro + 3枚 | 3600Wh | 3000W | 3500回 | 390,600円 | 559,000円 |
−168,400円 |
30%セールでも回収はむずかしいです。
ポータブル電源での電気代削減は可能なのか?
試算してみた結果では、やはりかなりのセールが開催されない限り回収するのは難しそうというのが感想です。
まったく可能性がない訳ではないので、タイミングが合えば検討は可能です。
また、電気の使用量が常に可視化されると、心理的に使う電気を抑えるようになり、電気を使わない「節電」になる可能性は高いです。
